ケニーくんは落ち着きがありません。

落ち着きがなかったケニーくんは旅に出ます。

標高4000mで歌う~キリマンジャロ登山ー4日目~

ジャンボ!

お久しぶりです。

自粛があけて、なかなかブログが書けないでいました。

皆さんはいかがおすごしでしょうか?

キリマンジャロの記憶が新しいうちに、最後まで書き上げていこうと思います。
もう少しお付き合いください!

4日目

この日は1週間の登山の中で一番、キツイ日程でした。

まず、朝から夕方にかけてキャンプまで登り

仮眠をとってから、深夜山頂にアタックするという事で

少しの緊張した状態で、朝目覚めました。

 

標高3960mのバランコキャンプでは、ちゃんと睡眠を取る事もできず、、

疲れが完全に取れ切ってない状態でした。

 

前日と同じように、朝はチャパティと果物でしたが

標高が上がる度に、食欲はどんどんなくなり

朝も少ししか食べる事ができませんでした。

 

そんな状態の中、すこし早く6:30くらいにバランコキャンプを出発しました。

 

もうこのあたりは、充電も元気もなく、写真はかなり少なくなってしまいます💦

ご了承ください。

 

この日はいきなり、バランコウォールという壁を登りました。

聞いた時は「壁?」となりました、、

だって壁って登れないですよね?

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のぼり始めると、傾斜のかなり厳しい道が続いており

いつもはトレッキングポールを使って登っていたのですが

この日はポールなしで、岩にしがみついて登っていきました。

ゴム手袋をはめて、がしがし登るのは登山というよりもボルタリングなどに近い感覚でした。

傾斜が厳しい為に上部はほとんど見えず、ゴールが見えない。

ひたすら岩壁と睨みあった状態で、登り続けるはしんどかったですが、

アトラクションをやっているような気分にもなり、楽しくもありました。

しかし、標高は4000mすでに富士山よりも標高が高い中ですこしでも急ごうとすると息は切れ、全身に疲れを感じます。

急がば回れ」という言葉を体感しました。

 

そんな中、ガイドのバルバナスは明るく振る舞ってくれました。

彼は前日、このバランコウォールについてこのように語ってくれました。

「おれたちは、バランコウォールの事をbreak fast wall(朝食の壁)と呼んでいる、朝食を食べた後に運動するための壁だ。壁と聞いて、怖がる必要はない。バランコウォールは楽しいエクササイズだ!」

いつも、バルバナスは自分たちがネガティブにならないような言葉を語りかけてくれました。

この日も、苦しがっている僕に

「良い運動になっただろ?」

と、笑顔で話しかけてくれて、頑張ろうと思えました。

 

壁と格闘してると、だんだん壁の終わりが見えてきました。

この頃には、天気もだんだんと晴れてきてとても良い気持ちでした。

 

苦しみながら、楽しみながら壁を登り終わると

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こんな絶景が、、

雪山へと続いていく山道に背筋がゾクっとします。

 

このあたりは、写真からも分かる通り完全なる砂漠地帯です。

植物は岩にへばりつく苔のみ。

変わり映えのない景色をひたすらに登っていきます。

この日あたりから、簡単に高山病にかかる標高になってきました。

少し歩くと、息が切れ頭痛がやってくる。

日常で歩くペースの半分くらいのペースで、登っていきました。

 

途中のランチ休憩では、ほとんど昼食に手が付けられないほど、体調が悪くなっており、それでも食べないともっと体調が悪くなると言われ、朝持たせてもらった、バナナやビスケットなどを無理やり口突っ込んで、食べました。

 

ランチが終わり、再び歩き始めると、サブガイドのジャクソンが

「おれのジャクソンっていう名前はマッコジャコーから、きてるんだ」

と言い始めました。

僕「マッコジャコーってだれ?」

ジャクソン「マイケルジャクソンだよ!知らないの?」

僕「知ってるよ!!一緒に歌おうよ!Heal the world make it a better place♪」

ジャクソン「For you end for me and entire human racce ♪」

大好きなマイケルの歌に助けられ、なんとか気力を振り絞り登り続ける事ができました。

歌の力の偉大さに、改めて感謝しました。

広大の自然の中で一緒に歌った、Heal the worldやWe are the worldは最高に気持ちが良かったです!

 

僕たちが登ったマチャメルートは、本来7日で登るルートなので

4日目はバランコキャンプからカランガキャンプまで登るのが普通なのですが、僕たちは6日間で登る日程だったので、この日はカランガキャンプを過ぎてバラフキャンプまで登りました。

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https://tabihon.jp/overseas/af-8701/

 

カランガキャンプの近くが最後の水場で、ポーターの方々は、カランガキャンプの近くから水をくみ上げ、約10Lの水をバラフキャンプまで運んでいました。

 

重い荷物をポーターさんに持ってもらっている為、身軽な恰好で登っている僕たちですら、相当きついのに、10Lの水を持ちながらポーターさんは軽々しく山を登っていきます。

そんな姿も自分を力づけてくれました。

カランガキャンプを過ぎたあたりからは、乾燥した岩場が広がる地帯で、傾斜もかなりキツかったです。意識が朦朧としながら、頭痛を感じながら登っていると、自分にとってのヒーローである、アントニオ猪木と、ラッパーのZornが脳内で僕を元気づけてくれました。

 

そんな様にして歩いていると、崖の上の方に鮮やかなテントが見えてきました。

もう少しで、キャンプ地だと安心しましたが

崖を登る訳にもいかず、崖の裏側まで回ってキャンプ地を目指しました。

キャンプに近づきたい気持ちで、ペースが上がると息が切れ頭痛が激しくなります。

その為に、ゴールが見えているのにゆっくり登っていきました。

途中でキャンプに先に着いたポーターさんたちが、自分たちの荷物を持ってくれました。

きっと走れば、5分くらいでいける距離を1時間くらいかけて登ったと思います。

 

なんとか、キャンプについた時にはかなりグッタリしていました。(写真は頑張って笑ってます。)

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キャンプについたのは、たぶん15:00くらいだったと思います。

時計を見る余裕もなく、はっきりとは覚えていないです。

キャンプについてお茶までの間、休憩していてと言われテントに潜りこみ仮眠をとろうと思いましたが、空気が薄くうまく眠る事ができません。トイレに行こうと思い、テントを出ますが、出ただけで、息がきれトイレにいくにも、普通のペースで歩けば、ぜえぜえ言ってしまうほどでした。

標高4600mでは、休憩するのも大変でした。

 

テントで休憩し、お茶を飲んでいると夕食がでてきました。

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パスタのような、焼きそばのようなものがでてきました。

しかもかなり山もり、、

この時の体調では全然食べる事ができず、3人で3分の1くらいしか食べる事ができませんでした。

夕食を食べ終えると、ガイドのバルバナスが山頂アタックについて話してくれました。

「今から11:30まで仮眠を取ってもらい、その後、軽食をとり12:30に山頂にむかう。7~8時間かけて、山頂に向かうが、距離でいうとたったの5kmだ。今日までの登山をこれからの山頂アタックに向けての練習だ。これからがいよいよ本番になる。しっかりと休んで、本番にそなえてくれ。」

説明を受けて、この日は仮眠を取るために、テントに向かいました。

治らない頭痛と、浅い呼吸で、疲れているのになかなか眠る事ができません。

山頂に向かうワクワクと、高山病の恐怖と、緊張しながら、胸を高ぶらせながら、何度も寝袋の中で寝返りをうちました。

テントの外は星の明かりが、他の明かりに邪魔されていないせいか、宇宙に近いせいか、とても輝いていました。

 

次回、ケニー意識を失う。

お楽しみに!